あのお菓子売り場の棚の前で、しばらく呆然としてしまった経験はありませんか。
いつもの場所に、いつもの「あの青い箱」がない。
店員さんに聞いても首を横に振られるだけ。
2023年の春、森永製菓の「リーフィ(Leafy)」が私たちの前から姿を消したとき、まさにそんな感覚に襲われた人が多かったはずです。
サクッとしたパイの食感と、絶妙なミルクチョコレートのハーモニー。
あの唯一無二の美味しさがもう手に入らないなんて、信じたくない現実ですよね。
「どうして一番好きなものがなくなってしまうの?」
「あの味の代わりになるものは、この世界に存在するの?」
そんな切実な疑問を抱えて、今日まで過ごしてきた方も多いのではないでしょうか。
なぜ、あれほど愛された商品が販売終了になってしまったのでしょうか。
さらに、あの喪失感を埋めることができる「次なる相棒」は存在するのでしょうか。
この記事では、リーフィをこよなく愛した私が、その終売の理由を徹底的に調べ上げ、さらに「リーフィ難民」の皆さんと一緒に楽しみたい代替品候補を本気で食べ比べて探してみました。
- リーフィが販売終了に至った複合的な理由と背景
- 公式発表や市場環境から読み解く復活の可能性
- 食感や味わいが似ている代替品お菓子の実食比較
- 販売終了を乗り越えて新しいお気に入りを見つける楽しみ
森永リーフィの販売終了はなぜ?背景を徹底解説

大好きだったお菓子が突然なくなることほど、切ないことはありませんよね。
「もっと買っておけばよかった」と後悔しても後の祭り。
でも、納得がいかないままでは前に進めません。
まずは、なぜ森永製菓があの名作「リーフィ」の製造を終了せざるを得なかったのか、その裏側にある事情を一緒に紐解いていきましょう。
単なる不人気といった単純な話ではなく、そこには今の時代ならではの、少し複雑で、でも納得せざるを得ない「大人の事情」が絡み合っていたようなんです。
青い箱の歴史とリーフィが担った役割

森永製菓といえば、100年以上の歴史を誇る日本のビスケット市場のパイオニアです。
皆さんも一度は目にしたことがあるでしょう、あの象徴的な「青い箱」のシリーズ。
1952年に発売された「マリー」を筆頭に、「チョイス」「ムーンライト」といった商品は、日本の家庭におけるティータイムの標準を作り上げてきました。
しかし、時代が平成に入り、2000年代を迎えると、消費者の好みは少しずつ変化し始めました。
単に甘くて美味しいだけでなく、より複雑な食感や、素材の組み合わせによる「深み」が求められるようになったのです。
そんな中、森永製菓が市場に投入した戦略的な製品の一つが「リーフィ(Leafy)」でした。
リーフィは、単なるクッキーの延長線上にある製品ではありませんでした。
ヨーロッパの伝統的なパイ菓子と、森永が得意とするチョコレート製造技術を高度に融合させた、当時の技術の粋(すい)を集めた自信作だったのです。
特にその形状には大きな特徴がありました。
商品名が示す通り「葉(Leaf)」を模したデザインは、見た目の美しさだけを狙ったものではありません。
パイ生地の層がオーブンの中で熱によって膨らむ際、均一に熱を通し、最も理想的な「サクサク感」を実現するための機能的な形状でもあったのです。
「大人向けの間食」というニッチな市場を開拓し、多くのファンを獲得したリーフィ。
それは森永製菓の歴史の中でも、「伝統」と「革新」をつなぐ重要な架け橋のような存在だったと言えるでしょう。
原材料高騰と製造コストの構造的課題

私たちが普段何気なく食べているお菓子ですが、その裏側では世界情勢の影響をダイレクトに受けています。
リーフィが終了した最大の要因、それは「原材料価格の歴史的な高騰」にあると考えられます。
少し専門的な話になりますが、リーフィを作るために必要な材料を思い出してみてください。
香ばしいパイ生地のための「小麦粉」とたっぷりの「バター(植物油脂)」。
表面をカリッとさせるための「砂糖」。
そして底面を覆う濃厚な「カカオ豆」。
これら全てが、2020年代に入ってから異常なほどの価格高騰に見舞われているのです。
- 小麦粉と油脂: ウクライナ情勢や世界的な異常気象により、パイ生地に不可欠なこれらの価格が急騰しました。
- カカオ豆と砂糖: チョコレートの主原料であるカカオ豆は、主要産地の不作により歴史的な高値を更新し続けています。

リーフィは、100円台後半から200円台という、いわゆる「中価格帯」の商品でした。
この価格帯は、コスト上昇の影響を最も受けやすい「魔のゾーン」とも言われています。
価格を上げれば、消費者は「ビスケットにしては高すぎる」と敬遠してしまいます。
かといって価格を据え置けば、作れば作るほど赤字になってしまう。
企業としては、非常に苦しい判断を迫られたはずです。
さらに、包装資材や物流コストの上習も重なり、たった一つの商品を棚に並べ続けるハードルが、かつてないほど高くなってしまったのです。
12層의パイ生地という再現困難な技術

私がリーフィを愛してやまなかった理由、それはあの「12層のパイ生地」が生み出す食感でした。
実はここにも、販売終了の一因が隠されているかもしれません。
一般的な家庭用のパイ菓子が数層から十数層であるのに対し、リーフィは独自のラミネーション(積層)技術により、極めて薄く、かつ強固な層を形成していました。
この構造こそが、あの「ハラハラと崩れるような儚い食感」の正体です。
しかし、この食感を実現するための製造工程は、森永製菓のラインナップの中でも極めて複雑で手間のかかるものだったと言われています。
まず、パイ生地を何層にも折り重ねて焼き上げます。
次に、その表面に薄く均一にシュガーコートを施します。
最後に、底面または片面にチョコレートをテンパリング(温度調整)してコーティングし、冷却して固めます。
特に難易度が高いのが「水分管理」です。
パイは湿気を吸うとすぐに食感が損なわれますが、チョコレートをかける工程やパッケージングの過程で、品質を保つのは至難の業です。
森永製菓は、シュガーコートを「バリア層」として機能させることで長期保存を可能にしていました。

しかし、これほど複雑な工程を経るということは、それだけ製造ラインでのエネルギーコスト(電気代やガス代)がかかるということです。
2022年以降のエネルギー価格の高騰は、こうした「長時間稼働を要するライン」の利益率を著しく圧迫しました。
あのサクサク感は、ただ材料を混ぜて焼くだけでは出せない、森永製菓の技術の結晶だったのです。
それが失われてしまったことは、単なる商品の消失以上の「技術的な損失」だと私は感じています。
企業の選択と集中によるポートフォリオ再編

感情的な側面を一旦脇に置いて、ビジネス的な視点からも見てみましょう。
森永製菓という企業は現在、大きく変革の時期を迎えています。
近年、同社が掲げている経営戦略の一つに「選択と集中」があります。
これは、限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ)を、今後も成長が見込める分野に集中的に投資するという考え方です。
具体的には、「inゼリー」のような健康機能を謳った食品や、海外でも人気の高い「ハイチュウ」などのグローバルブランドが優先されています。
一方で、国内市場が飽和状態にある伝統的なビスケット類は、どうしても整理の対象になりやすいのです。
- 成長領域: 「inゼリー」などの機能性食品。リブランディングや新食感の展開に注力。
- 安定領域: 「マリー」「ムーンライト」などの超定番品。品質改良を繰り返して維持。
- 整理対象: コスト構造が悪化した中価格帯のプレミアム製品。残念ながらリーフィはここに含まれてしまったと考えられます。
このように、企業としての資源をより効率的なセグメントへ移転させる過程で、リーフィのような「中堅のロングセラー」がラインナップから外れることは、現代の日本企業における合理的な判断の結果と言えるでしょう。
もちろんファンとしては納得しがたい部分もありますが、企業が存続し、また新しい価値を生み出すためには避けて通れない道だったのかもしれません。
SNSで拡散されたリーフィロスの声と心理

リーフィが販売終了するというニュースが流れた2023年3月。
Twitter(現X)やInstagramなどのSNS上では、悲鳴にも似た投稿が相次ぎました。
「リーフィが売ってない」「嘘だと言ってほしい」「私の楽しみを奪わないで」……。
これらは後に「リーフィ・ロス」と呼ばれる現象を引き起こしました。
私自身もその一人でしたが、この反応の大きさは、リーフィが単なるお菓子以上の存在だったことを証明しています。
多くの人にとって、リーフィは生活の中の「小さな儀式」の一部でした。
「午後の3時、熱い紅茶と一緒にリーフィを2枚食べるのが日課だった」
「仕事で嫌なことがあった日、自分へのご褒美として買っていた」
そんな風に、特定のシーンや感情と深く結びついていたのです。
リーフィ特有の、チョコレートの重さとパイの軽さが同居する感覚は、他の安価なクッキーでは代替不可能な「精神的な満足」を提供していました。
SNS上では、販売終了の報を受けて店頭にある在庫を買い占める動きや、再販を求める署名活動に近い投稿も散見されました。
これらの声は間違いなくメーカーにも届いているはずです。
今すぐの復活は難しくても、こうしたファンの熱量が、いつか何らかの形で(例えば期間限定の復刻版などで)報われる日が来ることを願わずにはいられません。

森永リーフィの販売終了はなぜ?似てる菓子の実力

悲しんでばかりもいられません。
私たちには「今日のおやつ」が必要です!
リーフィが去った今、その心の穴(とお腹の空き)を埋めてくれる後継者は誰なのでしょうか。
ここからは、私が実際にスーパーやコンビニを駆け回り、「これはリーフィの代わりになるか?」という視点で検証したお菓子たちを紹介します。
完全に同じものはありませんが、それぞれに素晴らしい個性と「リーフィっぽさ」を持った精鋭たちです。
食感の解剖学的な視点から、あなたにぴったりの代替品を見つけていきましょう。
平家パイは最強の代替品になり得るか

リーフィの代替品として、インターネット上でも最も頻繁に議論されるのが、三立製菓の「平家パイ」です。
源氏パイの対となる存在として知られるこのお菓子、実はリーフィファンにとってかなり有力な候補なんです。
実際に食べて比較してみると、その構造の類似性に驚かされます。
何層にも折り重なった四角いパイ生地。
そして表面には砂糖のコーティング。
しかし、決定的な違いもまた存在します。
| 評価軸 | 森永リーフィ | 三立製菓 平家パイ |
|---|---|---|
| パイの厚み | 極薄(繊細な食感) | 厚め(ザクザク食感) |
| 主な風味 | ミルクチョコとバター | レーズンと洋酒の香り |
| 食感の持続 | シュガーコートで維持 | 生地の密度で維持 |
| チョコの有無 | あり(底面) | なし(表面にレーズン) |
平家パイの素晴らしい点は、パイ菓子としての完成度の高さです。
バターの風味や焼き上がりの香ばしさは絶品で、パイ好きなら間違いなく満足できる品質です。
ただし、リーフィファンが最も重視する「チョコレートとの融合」という要素が欠落しています。
また、トッピングされているレーズンの酸味が強く、ミルクチョコの甘さを求めている口には少し違和感があるかもしれません。
ですが、ここで諦めるのは早いです。
実は三立製菓は、不定期に「チョコレートをかけた平家パイ」を期間限定で販売することがあります。
この商品に出会えた時、それは限りなくリーフィに近い体験となるはずです。
もし店頭で見かけたら、迷わず即買いすることをおすすめします。
ルマンドの食感が癒やす喪失感

次に検証するのは、ブルボンの名作「ルマンド」です。
「えっ、あれはパイじゃなくてクレープ生地でしょ?」と思ったあなた、鋭いですね。
確かに素材は違いますが、食感の「軽やかさ」という点では、実はリーフィに一番近い魂を持っているのがルマンドだと私は感じています。
リーフィの魅力は、口に入れた瞬間にハラハラと崩れるあの儚(はかな)さでした。
ルマンドの幾重にも重なった薄いクレープ生地は、その「崩れる美学」を見事に体現しています。
噛む力をほとんど必要とせず、口の中でココアクリームと一体化して溶けていく感覚。
これはリーフィの「口どけの良さ」に通じるものがあります。
共通点は、何層にも重なった生地の繊細な崩れ方。
相違点は、ルマンドはココアクリームの風味が強く、リーフィの濃厚なミルクチョコレート感とは少しベクトルが違うことです。
ルマンドは非常に散らばりやすいのが難点です(笑)。リーフィはシュガーコートのおかげで比較的崩れにくかったのですが、ルマンドを食べる際は受け皿が必須です。
「味」よりも「繊細な食感」を求めてリーフィを愛していた方には、ルマンドが最高の癒やしになるでしょう。
価格も手頃で、日常的に楽しめる点も大きな魅力です。
チョコだらけ等が示す新しい満足の形

最近のお菓子売り場を席巻している、不二家の「ホームパイ チョコだらけ」などの「〇〇だらけ」シリーズ。
これらも検証しないわけにはいきません。
このシリーズは、リーフィとは全く逆の発想で作られていると言っても過言ではありません。
リーフィが「パイを主役、チョコを脇役」として絶妙なバランスを保っていたのに対し、こちらは名前の通り「チョコが主役」です。
食べてみると、これはこれで「アリ」だと確信しました。
リーフィを食べていた時、「もっとチョコがかかっていたらなぁ」と心のどこかで思ったことはありませんか?
その潜在的な願望を、暴力的なまでの満足感で満たしてくれるのがこのシリーズです。
パイ生地はしっかりと中までチョコレートが染み込んでおり、サクサク感よりも「しっとり・ずっしり」とした食感が特徴です。
リーフィのような軽やかさはありませんが、「仕事で疲れて、とにかく甘いもので脳を満たしたい」というシーンでは、リーフィ以上のパフォーマンスを発揮するかもしれません。
時代は「繊細さ」から「分かりやすい満足感」へとシフトしているのかもしれませんね。
新しい時代の「パイ×チョコ」の形として、一度試してみる価値は十分にあります。
コンビニPB商品に潜むジェネリック

侮れないのが、セブンイレブンやローソン、ファミリーマートなどのプライベートブランド(PB)商品です。
実は、これらの中には大手メーカーがOEM供給(他社ブランドでの製造)している隠れた名品が潜んでいます。
特に注目したいのが「チョコレートパイ」や「ひとくちパイ」といった名称で売られている小袋のお菓子です。
これらはリーフィのような箱入りではありませんが、手軽に買えるサイズ感が魅力です。
実際にいくつか食べてみましたが、リーフィの「シュガーコート×パイ」の組み合わせを再現している商品に出会うことがありました。
これらは製造元がブルボンや三立製菓、あるいは不二家であることが多く、品質は大手メーカー品と遜色ありません。
- 裏面をチェック: パッケージの裏面を見て「製造者」を確認してください。「三立製菓」「不二家」「ブルボン」などの記載があれば、クオリティは保証されたも同然です。
- 甘さのバランス: PB商品はターゲット層が広いため、甘さ控えめで食べやすいものが多い傾向にあります。
- 一期一会: PB商品は入れ替わりが激しいので、気に入った商品はその場で確保するのが鉄則です。
これらは「リーフィの完全なコピー」ではありませんが、日常的に楽しめる「ジェネリック・リーフィ」として、私たちの生活を支えてくれる頼もしい存在です。
あなただけの隠れた名品を探すのも、コンビニ巡りの新しい楽しみ方になるはずです。
森永製菓に残された技術的遺産と今後

最後に、少し希望のある話をしましょう。
リーフィという製品自体はなくなってしまいましたが、そこで培われた技術が完全に消え去ったわけではありません。
森永製菓がリーフィ開発で確立した、あの「繊細な層を作るラミネーション技術」や「シュガーコートによる水分制御技術」。
これらは、形を変えて他の製品に受け継がれていると考えられます。
例えば、現在好調な「inゼリー」シリーズの新食感展開や、定番ビスケットのプレミアムライン(例:マリーを使った高級ガレットなど)には、過去の技術的蓄積が活かされています。
公式サイトが「2025年時点でも再販なし」と断言している背景には、リーフィ専用の設備が既に他の製品のために転用されたり、より効率的なラインに置き換わったりした可能性があります。
これは寂しいことですが、日本の製菓技術が停滞することなく進化し続けている証拠でもあります。
リーフィが持っていた製品設計思想——「繊細な層が織りなす多層的な喜び」——は、日本の製菓メーカーが世界に誇るべきDNAです。
消費者は、単に代替品を買うのではなく、リーフィが教えてくれた「食感を楽しむ贅沢」という価値基準を胸に、新たな商品と向き合っていくことになります。
森永製菓自身も、いつかまた私たちを驚かせるような、リーフィを超える「パイとチョコの傑作」を世に出してくれる日が来るかもしれません。
その時を楽しみに待ちたいと思います。
森永リーフィの販売終了はなぜ?歴史を愛し次へ

森永リーフィの販売終了は、原材料の高騰、製造工程の複雑さ、そして企業の戦略的ポートフォリオの刷新という、現代日本が抱える課題を如実に反映した出来事でした。
あの「12層のパイ生地」が織りなす繊細な食感は、日本のビスケット史に確固たる足跡を残しました。
2025年現在も復活の兆しはありませんが、リーフィが私たちに残してくれた「パイとチョコレートの幸せな記憶」は消えることはありません。
そして今、市場には平家パイやルマンド、新しいチョコ菓子たちが、それぞれの魅力で私たちを待っています。
「リーフィと全く同じもの」は存在しませんが、「リーフィのように心を豊かにしてくれるお菓子」は必ず見つかります。
リーフィという偉大な存在を心に留めつつ、ぜひ今日のおやつ選びを楽しんでみてください。
「これだ!」と思える新しい相棒との出会いが、きっとあなたを待っています。
もし、リーフィに似ている素敵なお菓子を見つけたら、ぜひ私にも教えてくださいね。
美味しいお菓子の探求は、まだまだ続きます!

